車庫証明の正しい理解(2) 申請書について
現在の車庫証明申請書
普通車などの登録自動車について、自動車保管場所証明書の交付を受けるためには、自動車保管場所証明申請書を提出します。
現在、福島県警察のホームページでは、Excel形式の申請書が提供されています。
この申請書を開くと、
「証明申請(副)」
「証明申請(正)」
「電算入力用」
の3枚で構成されています。
そこで、「福島県では車庫証明の申請書を3枚提出しなければならない」と思われるかもしれません。
しかし、この3枚は、すべて同じ性質の書類ではありません。
法令上の申請書は2通です
自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則は、自動車保管場所証明申請書の様式を定めています。
現在の福島県警察の申請書を見ると、その本体部分は、この施行規則に定められた様式に従ったものになっています。
「車名」「型式」「車台番号」「自動車の大きさ」「自動車の使用の本拠の位置」「自動車の保管場所の位置」などが記載され、自動車の大きさについては数字を一桁ずつ記載するマス目まで設けられています。
そして、書面によって車庫証明を申請する場合に提出する自動車保管場所証明申請書は、2通です。
福島県警察が提供するExcelファイルでは、この2通が「証明申請(副)」と「証明申請(正)」に当たります。
では、3枚目の「電算入力用」は何でしょうか
福島県警察のExcelファイルには、さらに3枚目として「電算入力用」というシートがあります。
これは、その名称のとおり、福島県警察が保管場所に関する情報を電算処理するために使用する書面です。
つまり、
法令上の申請書2通
と、
警察内部の事務処理に使用する電算入力用1通
とは、区別して考える必要があります。
現在の福島県警察の事務処理要領でも、他県で使用されている証明申請書による申請を受理することが予定されており、電算入力に必要な書面がない場合には、警察側で申請書を複写して処理することとされています。
したがって、福島県警察が提供する3枚組のExcel様式を使用すること自体が、車庫証明申請の法的な要件というわけではありません。
現在は他県の様式も使用できます
福島県警察は、現在、そのホームページにおいて、福島県警察が作成した様式でなくても、自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則に定められた様式に記載すべき事項がすべて記載されているなど、同規則所定の様式と認められるものであれば使用できることを明示しています。
つまり、重要なのは、
「福島県の用紙を使ったか」ではなく、「法令に定められた様式を満たしているか」
ということです。
これは、行政手続を考えるうえで重要な区別です。
行政庁が内部の事務処理をどのような方法で行うかということと、申請者が法令上何を提出しなければならないかということは、同じ問題ではありません。
申請書様式は全国的に統一されました
かつて、車庫証明の申請書には、都道府県ごとに独自の欄や様式が設けられていることがありました。
福島県でも、以前は独自色の強い申請書が使用されていました。
たとえば、申請書の下部には、「新規」「増車」「代替」「変更」の別、代替前の自動車登録番号、保管場所の種別、同じ保管場所を使用する軽自動車の有無や台数などを記載する欄が設けられていました。
これらの中には、福島県警察の事務処理のために設けられた独自の項目も含まれていました。
その後、申請者の負担軽減やローカル・ルールの是正が進められ、令和7年には、政府の規制改革実施計画を踏まえて、車庫証明の申請書類について全国的な統一が進められました。
現在の福島県警察の申請書も、この全国的な整理を踏まえた様式となっています。
以前の福島県様式にあった「軽自動車の所有台数」などの独自項目はなくなり、申請書はかなり簡素化されました。
現在の欄外記載事項
もっとも、施行規則に定められた申請書本体の下には、現在もいくつかの記載欄があります。
たとえば、
使用権原
連絡先
新規・代替
前車・現車の登録番号等
などです。
これらを見て、「また福島県独自のローカル・ルールなのか」と考えるのは早計です。
現在は、警察庁の通達によって、施行規則所定の申請書の欄外に、事務処理に必要な一定の事項を記載する欄を設けることが全国的に整理されています。
したがって、現在の欄外部分については、かつての福島県独自様式と同じように評価することはできません。
Excel化によって記載の負担も軽減されました
現在の福島県警察の申請書はExcel形式で提供されています。
1枚目に車名、型式、車台番号、自動車の大きさ、使用の本拠の位置、保管場所の位置、申請者の住所・氏名などを入力すると、その内容の多くは2枚目、3枚目にも自動的に反映されます。
以前の複写式用紙や旧Excel様式と比べれば、申請書を作成する負担は大きく軽減されています。
もっとも、現在のExcel様式でも、「自己・他人・共有」「新規・代替」など、○印を付ける選択項目については、各シートでそれぞれ入力する必要があります。
せっかくExcel形式で申請書を提供するのであれば、これらの選択項目についても1枚目への入力だけで他のシートへ反映されるようにすれば、さらに使いやすい様式になるでしょう。
これは法的な問題というより、申請書の利便性の問題です。
かつての「5枚綴り」はなくなりました
このホームページで以前この記事を書いた当時、福島県では、車庫証明の申請に5枚綴りの複写式用紙が使用されていました。
その内訳は、自動車保管場所証明申請書関係の書面に加えて、当時存在した保管場所標章の交付に関する書面などを一組にしたものでした。
私は当時、法令上必要な書類と、警察内部の事務処理のために必要な書類とを区別すべきであるという観点から、この取扱いに疑問を呈していました。
その後、申請書の取扱いは大きく変わりました。
令和7年4月1日には保管場所標章制度そのものが廃止され、さらに申請書類の全国的な統一も進められています。
現在の福島県警察のExcel様式は3枚構成ですが、かつての5枚綴りとは、その意味も申請者の負担も大きく異なります。
行政実務が改善されたのであれば、その変化は正当に評価すべきでしょう。
法令上何が必要なのか
車庫証明の申請書について、「警察署でもらった用紙だから、この用紙でなければならない」「3枚組だから3枚すべてが法令上の申請書である」と考える必要はありません。
まず確認すべきなのは、
法令はどのような様式を定めているのか。
申請者に何通の提出を求めているのか。
行政庁が内部の事務処理のために付加しているものは何なのか。
ということです。
現在は、警察庁・福島県警察によるローカル・ルールの是正や申請書類の統一が進み、以前に比べて非常に分かりやすい制度になりました。
リーガル・ウィンドでは、単に指定された用紙に記入するのではなく、法令と現在の実務の双方を確認したうえで、車庫証明手続を行っています。


