相続はいつ、どこで始まるのか

相続というと、遺産を誰が受け継ぐのか、どのように分けるのかということがまず思い浮かぶかもしれません。
しかし、その前に確認しておかなければならないことがあります。
相続は、いつ始まるのでしょうか。
そして、
相続は、どこで始まるのでしょうか。
相続に関するさまざまな法律関係を考えるためには、まず、この出発点を確認する必要があります。
相続は、死亡によって始まります
民法は、
「相続は、死亡によって開始する。」
と定めています。
人が亡くなると、その人が持っていた財産や権利・義務は、原則として相続人に引き継がれます。
亡くなった人を被相続人、その財産や権利・義務を引き継ぐ人を相続人といいます。
したがって、相続について考えるときの最初の基準となるのは、被相続人が死亡した時です。
失踪宣告によって相続が始まることもあります
相続は、現実に死亡した場合だけに問題となるわけではありません。
長期間、生死が分からない状態が続いている場合などには、家庭裁判所の失踪宣告によって、その人が法律上死亡したものとみなされることがあります。
失踪宣告によって死亡したものとみなされた場合にも、相続が開始します。法務省
ただし、いつ死亡したものとみなされるかは、普通失踪と特別失踪とで異なります。
そのため、失踪宣告が関係する相続では、単に「失踪宣告がされた日」を相続開始の日と考えることはできません。
同時に死亡した場合はどうなるのか
事故や災害などによって複数の人が亡くなり、その死亡の前後が分からないことがあります。
たとえば、親と子が同じ事故で亡くなり、どちらが先に死亡したのか分からない場合です。
相続では、死亡の順序によって、誰が誰を相続するのかが変わることがあります。
そこで民法は、複数の人が死亡し、そのうちの一人が他の人の死亡後にも生存していたことが明らかでない場合には、これらの人は同時に死亡したものと推定するというルールを置いています。
同時に死亡したものと扱われる人の間では、一方が他方を相続することはありません。
相続は、どこで始まるのか
相続には、「いつ」だけでなく、「どこで」という問題もあります。
民法は、
相続は、被相続人の住所において開始する
と定めています。
つまり、相続開始地は、原則として亡くなった人の住所です。
これは、相続財産がどこにあるのかとは別の問題です。
たとえば、福島県に住んでいた人が、東京都や北海道にも不動産を所有していたとしても、それぞれの不動産所在地で別々に相続が開始するわけではありません。
相続という法律関係には、一つの出発点があります。
相続の出発点を確認する
相続について考えるとき、最初に確認するのは、財産の内容でも、遺産の分け方でもありません。
まず、
「いつ、どこで相続が始まったのか」
を確認します。
そこが、相続という法律関係の出発点です。
そして、相続が始まったことを確認したら、次に問題となるのが、
です。


