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かけがえのないあなたの自由を支援します|法務行政書士事務所リーガル・ウィンド|福島県福島市 > 18歳選挙権(主権者教育) > 選挙に行く理由

選挙に行く理由

みなさんは、「なぜ選挙で投票すべきなのか」と問われたならば、明快に回答できますか。若者の選挙離れという現象に苦言を呈する方でも、面と向かってそう尋ねられると、答えに窮してしまうのではないでしょうか。投票することは国民の権利だとか義務だとか、もっともらしい回答はたくさんあるのですが、明快で説得的な内容のものを聞いたことがないように思います。
そこで、今回は、可能な限りで、明快で説得的な理由付けを考えてみようと思います。

目次

・民主主義から考える。

・自由主義に遡って考える。

・「決める」とは。

・投票の効果(合理性)や選択肢不足は、投票の必要性に影響しない。

・今日着る服を選ぶことと、投票することは同じこと。

□ 民主主義から考える。
まず、選挙制度は民主主義実現のために存在するものですから、選挙で投票すべき理由について、民主主義を起点として考えてみます。
民主主義とは「私たちのことを私たちで(決める)こと」です。もっとも、決めるといっても、私たちの民主主義は間接民主主義ですので、政治課題の解決策を私たち一人々が決定するのではなく、選挙で選んだ人にその決定を委ねることになります。そうすると、私たちが「決める」のは、「誰に委ねるか」を決めるということであり、それは選挙において私たちが投票することを意味します。すると、間接民主主義の定義は、「私たちのことを私たちで(委ねる)こと」と民主主義の定義の一部の文言を置き換えることができます。これをもう少しわかりやすく補足して表現すれば、「私たちのことを決めてもらうために私たちで投票すること」となります。つまり、民主主義とは、「私たちが選挙で投票すること」であり、逆に私たちが選挙で投票することとは、民主主義そのもの、すなわち「私たちのことを私たちで決めること」に他ならないのです。
ここまでの考察で、「なぜ選挙で投票すべきなのか」という質問に対し回答するならば、「民主主義とは、私たちが選挙で投票することに他ならないので、民主主義を全うするために、私たちは投票しなければなりません。」となるでしょうか。どうでしょう、こう言われて政治に無関心な若者が選挙に行こうという気が起きるかは疑問ですね。この回答に対しては、「民主主義を全うするための必要条件は、選挙における“私たちの”投票の存在であって、“私の”投票が欠けたとしても必要条件は充足されるのではないか。なぜなら、私とあなたは民主主義を共に支える仲間〈=私たち〉であって、たとえ私のたった一票が欠けたとしても、その他大多数のあなたたちの投票がそれを十分に補い、それは全体として私たちの投票と評価されるので、私が投票しなくとも民主主義には露程も影響しないのではないか。」という再質問を受けることが想定されます。この再質問の論理は、「どうせ私がたった一票投じたところで、世の中変わんないでしょ。」などと選挙に行かない理由として巷でよく聞くものと同じものです。何が同じかというと、両者とも民主主義の本質を理解できていない論理となっている点においてです。実は、選挙に行かなくてもよいと主張する人々に共通するものが、この民主主義の本質への理解不足なのです。どうやら、民主主義の表層部分を起点として考えるだけでは、明快で説得的な理由付けはできないようです。
□ 自由主義に遡って考える。
そこで、民主主義の核心を考えてみます。民主主義の核心は、自由主義にあります。私たちが幸福であることの前提として、私たち一人々が尊重され自由であることが必要であると考えるのが自由主義です。私たち人間は社会的な生き物ですから、自由主義を担保できる社会のしくみを構築する必要がありました。そのしくみが民主主義であるのです。そして、選挙における投票も、自由主義を担保する民主主義というしくみの一つであるわけです。民主主義の存在意義は、自由主義を実現するためにあります。もっと言えば、民主主義は、自由主義実現のための手段にすぎないものなのです。したがって、民主主義「私(たち)のことを私(たち)で決めること」は、自由主義「私のことを私で決めること」を包摂しています。逆に包摂していなければ民主主義と呼べません。この民主主義が自由主義を包摂していることについての理解は、選挙制度のみならず様々な社会制度の本質を理解する上で核となるものなのです。
それでは、民主主義の核心である自由主義を起点として、選挙で投票することの意義を考えてみましょう。上述したとおり、民主主義の定義である「私たちのことを私たちで決める」を、間接民主主義に合わせて「私(たち)のことを決めてもらうために私(たち)で投票すること」と表現し直しました。同様に、自由主義の定義である「私のことを私で決めること」も、間接民主主義に包摂されるものとして「私のことを決めてもらうために私で投票すること」と表現し直してみます。そうすると、自由主義とは、「私が選挙で投票すること」であり、逆に私が選挙で投票することとは、自由主義そのもの、すなわち「私のことを私で決めること」に他ならないことが分かります。
そして、民主主義〈私たち〉を起点として考察した際には、「私とあなたは同じ仲間であるから私たちであり、あなたの投票も私たちの投票とみなされる」と言い逃れができたことが、自由主義〈私〉を起点として考察した結果、「私とあなたは違うのであって、私の投票をあなたができるはずもなく、もはや私が投票しなければ自由主義を全うできない」という論理付けができるのです。つまり、選挙で投票することは、自由主義〈私のことを私で決めること〉に他ならず、自由主義を全うするためには、あなたではない私の投票が不可欠になるということです。
ここまでの考察で、「なぜ選挙で投票すべきなのか」という質問に対し回答するならば、「投票することは、あなたのことをあなたで決めることに他ならず、あなた以外の誰もそれをすることができないので、あなたがしなければならない。」となります。前よりも説得的になったでしょうか。しかし、この回答では「どの候補者も信頼できないため、投票を棄権しようと決めました」あるいは「自分のことなのだから、決めることを放棄しても構わないですよね」などという投票棄権の主張を排斥できません。もっとも、このような主張は、回答中の「決める」という文言の意味についての誤解が生むものなのです。そこで、次は「決める」ことの意味を考えてみます。
□ 「決める」とは。
私たちは、日常生活において、様々な私的事項を自分で決めて生きています。同様に、私たちは社会的生き物ですので、利害調整が必要となる社会的事項も決めて生きています。そして、選挙における投票は、社会的(私たちの)事項について「私(たち)で決めること」です。それは、私的(私の)事項について「私で決めること」と本来的に同じことなのです。
決めるとはどういうことなのかを考えてもらうために、私は、「私はなぜ投票しなければならないのか」と問われた際に、「あなたはなぜこの学校(会社)に行こうと決めなければならなかったのか」、「あなたはなぜ休日に映画を観に行こうと決めなければならなかったのか」、「あなたはなぜレストランでカレーライスを食べようと決めなければならなかったのか」などと問い直すことにしています。私からの奇妙な逆質問に対しては、「あの学校よりこの学校の校風がよかった」とか、「雨が降っていてテニスができなかったので映画を見に行くことにした」とか、「ご飯ものはカレーライスだけしかなかったので仕方なく」などと、全員の方が決断したことの理由をお答えになります。しかし、私の質問の主眼は、なぜ決める必要があったのか(決めた必要性)にあるのであって、そう決めたのはなぜか(決めた理由)にあるわけではありませんので、それらの回答では不十分なのです。なぜみなさん判を押したように同じような回答になるのかといえば、みなさん決めることの必要性など改めて考えたことがないからなのです。
生きていくために、私たちは決めなければなりません。朝起きて、今日はどの服を着るのかを決めなければ、その日の活動が進行しません。決めることを放棄するなどは許されません。そんなことは誰もが百も承知で、改めて考えるまでもないことです。「決める」こととは、呼吸などの生命維持行為に準じて無意識で行う程度にまで、生きる上で必要不可欠な行為となっているのです。

□ なぜ投票しなければならないのか。
選挙で投票することは、社会的〈私たちの〉事項について「私(たち)で決めること」ですので、無意識で行う程度に生きる上で必要不可欠な、私的〈私の〉事項について「私で決めること」と本来的に同じことなのです。したがって、投票することは、(社会的に)生きる上で必要不可欠な行為なのです。
以上の考察に基づいて、「なぜ選挙で投票すべきなのか」という質問に対し回答するならば、「投票とはあなたのことをあなたで決めることであり、あなたが(社会的に)生きる上で必要不可欠な行為であるから、投票せざるを得ないのです。」となります。“社会的に”の部分をカッコで括っていますが、人間は社会的な生き物であり社会的に生きざるを得ないわけですので、端的に「投票とはあなたのことをあなたで決めることであり、あなたが生きる上で必要不可欠な行為であるから、投票せざるを得ないのです。」という回答をすればよいのです。
□ 投票の効果(合理性)や選択肢不足は、投票の必要性に影響しない。
「投票しても世の中は変わらない」とか「どちらの候補も魅力がない」などを投票しない理由に挙げる方が少なからずいらっしゃいます。しかし、そういった方々も、(進学することは前提として)「どの学校に決めても人生は変わらない」とか、「どの学校も魅力がない」と言って学校選択の決断自体を放棄したり、あるいは、「どの服に決めても人生は変わらない」とか、「どの服も魅力がない」と言って服選択の決断自体を放棄したりはしないでしょう。学校選択を決断しなければ人生が先に進みませんし、今日どの服を着るか決断しなければ、今日の生活が先に進みません。同様に、投票をしなければ、社会生活が機能しないのです。社会生活が機能しないということは、私たち個人の生活も停滞することになります。私たちは、効果的であろうがなかろうが、今ある選択肢を前提に決めていますし、同様に投票するのです。つまり、投票の効果や選択肢不足を投票しないことの理由とすることは不適切なのです。
□ 今日着る服を選ぶことと、投票することは同じこと。
私は、朝起きて今日着る服を決めるように、投票することの意義・意味など考えるまでもなく、無意識的に選挙において投票します。選挙で投票することとはそういうものです。私は、自分の意思で人生を生きているのですから、私が生きる社会における物事の決定にも、自分の意思を反映させます。私自身に関する私的事項と社会的事項との隔たりはないのです。どちらの物事も、私が決めなければ前に進みません。そう、今日の服を決めるように、私は投票するのです。どれもあまり気に入っていなくてもその中から1着を決めるように、棄権することなく投票するのです。誰のために? 当然、私のために。国や社会制度が存在するのは、私のためなのですから。私は、それについて決めるのです。

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2017年9月3日(日)  コメントorトラックバックはまだありません  18歳選挙権(主権者教育)

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