文書に署名・押印することの法的意義(2)− 意思表示を文書化することの2つの意義
意思表示の明確化
そもそも、契約をする際や行政庁に申請書を提出する際に、なぜ文書を作成するのかということから考えなければならないでしょう。契約書にせよ、申請書にせよ、当事者が一定の法律効果を望む意思を表示する文言が記載されます。当事者が意思を口頭で述べても,その意思は目に見えず,話し終えた瞬間に消えてなくなります。しかし、意思表示を文書化することで、その意思が形となって目に見えるようになります。つまり、文書化することの意義は,意思表示を具象化及び明確化することにあるといえるのです。
意思表示の証拠化
また、形となった意思表示は、文書を保存しておくことで、いつまでも存在させておけます。当事者の一方が、そんな意思を表示した覚えはないなどと嘯いても、あの時あなたは確かにこのような意思を表示したと文書を突きつけて証明することができるのです。つまり、文書化することのもう一つの意義は、意思表示を証拠化することにあるといえるのです。