車庫証明の申請名義人について
車庫証明の申請先である警察署では、申請者(車庫証明申請書に記載されている申請者)は自動車の「使用者」でなければならいとの取扱いがなされています(厳格にチェックされるわけではないので使用者以外の申請者名義でも証明書が発行されるケースは多いと思います)。
また、自動車登録の申請先である運輸支局では、車庫証明書の提出が必要となる自動車登録手続において、提出された車庫証明書の申請者と登録対象自動車の使用者が一致していなければならいとの取扱いがなされています(国交省自動車交通局長発行の通達である「自動車登録業務実施要領」にその旨の記載があります)。
しかし、車庫を確保する義務は自動車の「保有者」に課されています(自動車の保管場所の確保等に関する法律(以下、車庫法といいます)第3条)し、車庫証明の申請者は自動車の「保有者」となっています(車庫法施行令第3条)。
保有者とは「自動車の所有者その他自動車を使用する権利を有する者で、自己のために自動車を運行の用に供するもの」(自動車損害賠償保障法第2条第3項・車庫法第2条2項)とされ、所有者や所有者から使用貸借又は賃貸借する者なども保有者と認められる場合があります。つまり、使用者には限定されないということです。
したがって、使用者以外の保有者が行う車庫証明申請は認められるべきであり、また、車庫証明書記載の申請者が保有者であって自動車の使用者と異なるような自動車登録申請も認められるべきでしょう。
事務手続き上必要となると思われる、使用者以外の保有者と使用者との牽連性や、使用者の住所と使用の本拠の位置及び保管場所との牽連性等は、証明書類を添付させることで容易に証明できるわけですから。