車庫証明の正しい理解(5) 添付書類について
※お断り:以下では、自動車の保管場所の確保等に関する法律を「法」、自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令を「令」、自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則を「則」と表記します。
添付書類の種類
▷自動車保管場所証明申請(令2条1項、法4条1項)を行う場合には、次の書面を添付しなければなりません(則1条2項)。
▷また、軽自動車に係る自動車保管場所届出(法5条)の場合も、全く同じ書面を添付する必要があります(則3条2項)。
・保管場所の所在図
・保管場所の配置図
保管場所の使用権原疎明書について
▷保管場所の使用権原疎明書とは、保有者に保管場所を使用する権原があることを疎明する書面です(則1条2項1号)。権原の種類によって、以下の表のように必要となる書類が異なります。
区分 | 添付書類 |
自動車の保有者の土地又は建物を保管場所として使用する場合(自己所有) |
保管場所使用権原疎明書面(自認書) |
他人と共有している土地又は建物を保管場所として使用する場合(共有) |
保管場所使用承諾証明書(承諾書) |
他人の土地又は建物を保管場所として使用する場合(他人所有) |
土地又は建物を管理者から借りていることを疎明する書面として |
▷保管場所を賃借している場合、手元に駐車場の賃貸借契約書又は駐車場料金の領収書があれば、疎明書類として事足りますので、わざわざ賃貸人から保管場所使用承諾証明書を発行してもらう必要はありません。
▷保管場所が他者との共有である場合、保有者自身の共有持分に関して保管場所使用権原疎明書面を、他の共有者の共有持分に関して保管場所使用承諾証明書を提出することを求められます。しかし、持分に応じてという限定はつくものの、各共有者は共有物の全部について使用することが出来る(民法249条)わけですから、疎明で足りる申請において他の共有者の保管場所使用承諾証明書の添付まで求めることにどれだけの合理性があるかは疑問が残ります。
所在図について
▷所在図とは、使用の本拠の位置と保管場所の付近の道路及び目標となる地物を表示したものです(則1条2項2号)。
▷手書きであれ、既製地図の写し(この場合には著作権に注意を払う必要があります)でも構いません。
▷手書きの場合、警察内部の要領(通達)で、使用の本拠の位置及び保管場所の位置並びにそれらの間の距離を明記することが求められています。
▷既製地図の写しの場合、上記要領で、使用の本拠の位置及び保管場所の位置の明記することと、使用の本拠の位置を中心とした半径2キロメートルの円を図示することが求められています。
▷この所在図は、次の場合に原則として添付が省略できます。
・使用の本拠の位置が保有者の旧自動車に係る使用の本拠の位置と同一であり、かつ、保管場所が旧自動車の保管場所と同じ場合(則1条3項1号)。
・使用の本拠の位置が保管場所と同一であるとき(則1条3項2号)。
▷もっとも、警察署長が、保管場所の付近の目標となる地物及びその位置を知るため特に必要があると認めるときは、例外的に所在図の提出を求められる場合があります(則1条3項本文但書)
配置図について
▷配置図とは、保管場所(平面の寸法を明記)並びに周囲の建物、空地および道路(幅員を明記)を表示したものです(則1条2項3号)。
▷警察内部の要領(通達)では、所在図の添付が省略される場合には、配置図に保管場所付近の道路及び目標となる地物を表示することが求められています。
複数の自動車の申請をする場合の添付書類
▷警察内部の要領(通達)では、同一の保管場所を複数の自動車の保管場所とする申請を同時にする場合は、保管場所の使用権原疎明書及び保管場所の所在図・配置図は、申請件数にかかわらず、それぞれ1通でよいとされています。